長きにわたるアパレル業界での勤務。
最初の会社は合弁外資。上司はドイツ人。
中国・タイ・フランスでの買付の出張、南アフリカでの撮影の出張。
全部海外でしたが、たった一人で、「いってらっしゃーい」
そういえば、入社の面談のとき最後に「田中さん英語できますか?」
「いいえ。あまり。。。」「じゃ。覚えてくださいね」
と、その時は上司が外国人とは思いもよりませんでした。
この時ほど、「あー、なんで中学や高校でちゃんと英語勉強してなかったんだろ。。」
と、悔やまれましたが、そんな事いってらんない。
出張するのだって先方のエージェント(現地人)とスケジュールの確認。
自分でフライトとって、ホテルとって。。。
買付に必要な英語やネゴ、ローカルのタクシーは英語なんて通じないから、
現地語を覚えたり。
どうしても必要だから覚える必要があったんですね。
ま、それはいいとしてこの会社では、商品企画・撮影・誌面編集の全てを
やります。一流のモデルってどーゆーものか、世界で有名なフォトグラファーって
どーゆー人なの? とか、新しく知ることが出来ました。
但し、たかだか販売員程度の知識では、本当に商品企画などする事なんて
出来ない。
それからは地獄へようこそ!!!
まずは素材、生地の幅を覚え「色出し」とよばれる最初の指針となるカラーを決めたり、
お洋服につかう生地の分量、用尺、付属、納品、倉庫搬入、倉庫での検品、
出荷におけるピッキング、等、全て知らない事ばかりでした。
それ以外にも、撮影に関してはモデルオーディション・撮影場所・カメラマン・
スタイリストの選定、撮影が終われば印刷に必要な入稿・カンプ・校正と印刷が上がるまでの
一貫をしていました。
さて、お待ちかねのデビュー作。なんと私の作った(商品企画)ページはテスト販売で
どれもビリ&ビリにちかい成績。 成績というのは販売額になります。
これが1位から最後までページで順位が出るわけですね。
そう、全く売れなかったのです。
この経験がなければ今に至らなかったのですが、
上司は私を責める事はしませんでした。
あからさまに悪い成績をとった私。
それから、どうしたら売れるのか、人は何を見て、購入までに至るのか。何に興味を示すのか。
写真の配置か、コピーライトか、価格か、商品企画か、素材か、モデルの見え方、着こなしなのか、
販売員としてのスキルなんてもはや、通用しないので誌面構成をどうすればいいのか
日夜そればかり考えていました。
売れるとは大多数のお客様から支持を得る事。
そこそこ安いものをどれだけ美しく魅せることが出来るか、そのコーディネート
が問題なわけです。
しかも上下着ている内のトップスだけとかボトムだけ売れてもしょうがないのです。
客単価を上げなければ効率が悪い。
すなわち、誌面上でのセット販売をしなければ成績が上がらないのです。
上下、コーディネートで販売できなければ、そのコーディネートが悪い。
そう、私のセンスが客観的に顧客様に受け入れて頂けなかったという事なのです。
この成績にもれなく給与が関係するので、死にもの狂いで模索。
どのように企画変更したかと言えば。。。少し、一例なんですが、
見開きでターゲットとなる顧客像を想定し、可処分所得を
考える。カタログライフは1か月から強い(全て売り上げのいい販売率の高いカタログ)
カタログなら3カ月まで持つ。
*持つというのは、お客様が捨てずにカタログをとっといて、同じお客様が再度購入してくれる。
という意味です。
一度、上下で購入して頂いてお気に召していただいたら、
次のお給料日にその気温に合せて同じボトムで
コーディネートできる別のトップスを用意して、同じお客様に再度購入していただくという事です。
最終的にそのページの商品が全て売れたらカタログのシーズンエンドには売上が伸びている。
と、まあこーゆーシナリオです。
例えば今なら、春号でスプリングコート+ボトムのコーディネートをメインショットで大きく
販売。そして気温が+5度になるぐらいになったら着用できる、
インナーの長袖薄手のニットを同時販売。
暑くなってきたら、そのボトムに一番似合う半袖トップスも一緒に掲載するわけです。
大変気に入って頂いたら最終的に3か月後にフルコーディネートできるはずの、
コーディネート販売のページを構成するわけです。
但し、それにはセンスが必要。そしてトレンドを盛り込まないと売れない。
そして。。。。。
気に入るだけではリピートして頂けない。
品質が問題なのです。たった一度購入していただいた、その商品の信頼が無ければ
二度購入する事はない。皆様も同感ですよね。
チャンスは一度きりなのです。
だって、どこか通販で買って洗濯したら一回でほつれた。しかも洗濯したから返品できない。
2度と買う気にはなれませんよね。
安い素材に、どこまでが洗濯に耐えうる縫製に妥協が許されるか。
クリーニングしかダメなんて、2,900円の商品にありえないですよね。
ここからは、VENDORとの戦いなのですが(すぐ戦うな。武闘派かよ)
例えば綿100%でもシルケット加工が
最低限されてなきゃ、洗濯で早い段階で毛羽立つ。あと、安っぽく見える。
とか、伸びやすい伸縮性のある商品に伸び留テープをどこの位置に入れるか、等々
そんなことに気を付けて商品企画するわけなんですね。
現在ではネット販売率が上がり購入動機も変化しているので、一発もので
頑張るしかないんですがね。
客観的にみて皆が好きなもの(ある程度ターゲットはありましたが)皆が好感を持つもの。
自分の好みでは人に通用しない。時流を考え、あれこれ試行錯誤。
そして自分の好きなものほど売れないという、世間の好みを知る機会が
生まれたわけです。
最終的には、沢山のブランドを担当し200点余りの商品企画をした時、
「あら、このままでいいのかな。いつまでも現場。。こんなにページをつくるなら
一冊まるごとディレクションさせてくんないかな」
でも無理なんですね。そーゆーのは天下りの人しかやらせてもらえないんですね。
お次の通販はもっと悲惨。指示書自体に指示寸を自分で決めて入れていくのです。
トップスで言えば、着丈、身丈、袖丈、肩幅、袖幅、衿幅、前下がり、
素材選定にグレーディング。あのー。。。全部やるんですか?私が。。。
ボトムスで言えばパンツの渡り・股下・裾周り・スレキの種類、何から何まで指示しなきゃいけない。。。
これQCの仕事なんじゃない?
ついでに梱包状態まで決めんの?袋も?薄紙も? & 撮影に至る校正まで。。。。
お休みほぼなく深夜帰宅。
いいように、こき使われあまりに腹が立ち転職。
当初の希望通りの会社に最終的に行き当たり、1冊まるごと
ディレクターという立場で、商品企画業務全般の管理、出版におけるすべての管理を
する事となりました。
さて、様々な企画担当が、いましたがスキルもそれぞれ。
ただ若い社員ばかりの会社なので商品的なスキルが殆どない。
何故か大卒優先で取る会社で、せめてファッション関連の専門学校でも
出て頂いてもらったらいいのに。。。。
素材から教えるんですかぁぁ。。。。
注* ご愛読中の皆様!!!! ここから下はあくまでも現役時代の話です。
今は優しいババアなので安心してください。すっかり丸くなりました。
パターンって何? 型入れってなあに? 延反ってなあに? 斜行ってなあに?
力ボタン(ちからぼたんと呼びます)って? 開き見せってなあに??
メロウってなあに?
撮影にあたってはエフェクトってなに? モアレってなに?
日中シンクロってなに? なんで外ロケばかり希望すんだよ。
雨ふったらどーすんだよ。何?恵比寿の高級レストランで撮影したい?
1時間6万円だぞ!死ね!
おまえら経費の観念がないのかよ!
このモデルじゃなきゃ売れない? 我儘ゆーな。高いんだから安いモデルで工夫しろ!
念校で訂正? もう輪転機だよ。再校で終了だよ。
コピーは50文字以内で一番言いたいことを書け!
長く書いたって読まねーぞ。
キャッチは15文字! 一番インパクトの強い言葉で!
あんたが思っている10割伝えようとしたって、お客様は2割しかわかんねーんだぞ!
誰もがわかるよーに書けっ! や・り・な・お・し!!!!!
何でなんにも、わかんないんだよっ!!!
幼稚園かよっ!!!なんで仕入れ先ごとにグレーディングが違うんだよっ!
返品理由が、わかんねーだろ!
マスターパターンがないのかよっ!!!
そもそも、9号トルソーのヤングがどーしてないんだよっ!!!
フィッティングもしてないで撮影して売ってんのかよ!!!
返品率どーりで高いと思った。。。。
あんたらの我儘で、撮影経費にいくらかかってんのか分かってんの?
NG生意気に出すな! スタジオレンタルの延長料金1時間2万円だぞ!
てめーが払うのかよっ!!!
どーゆーNGの出し方してんだよ!「これ駄目です。」じゃねーだろっ!!
皆だって適当にやってるわけじゃねーんだよ!
「あ、いいですね。でももっとこうしたら凄く素晴らしい!ちょっと頑張っちゃいましょうか?」
「生涯に残る名作! 売上200%になっちゃいますぅ!!!」
って言え! 否定から入ったらみんなプロなんだからプライドがあるだろ? カチンとくるだろ?
同じ事をさせるにも言い方があるだろっ!!! もっと相手に気を遣えっ!!!
周りのスタッフはお前よりもプロだ!
年下のクライアントのいう事を真剣に聞いてもらうにはどーするよ。
まずこの企画に「全てを賭けてるってぐらい」の意気込みが伝わんなきゃダメだろっ!
そのひたむきさに心を打たれて「しょーがねーから、いっちょ本気だしてやっか」
と思わせなきゃだめだろ! てめーが白けてアクビなんかしてっから、現場がダラケんだろっ!
撮影で売上の9割が決まるんだよっ!! 次は無いと思え! 一発勝負なんだよっ!!
と、呼び出してスタジオの廊下で撮影進行書を取り上げ、壁に投げつける。。。。。
撮影が遅れてる? 「えらそーに椅子すわってんじゃないよ!」
遅れてんのはテメーのせいだろっ!
段取りが悪いんだろっ!!!!何で皆が気持ちよく、やる気を出してくれるように
なんで行動できないんだよっ!!!クライアントなんていう立場を忘れろ!
撮影はチームワークなんだよっ!!!!
現場責任者よりスタジオアシスタントさんや、細々細かい仕事をするアシスタントさんに気を遣え。
実力以上のパフォーマンスをさせるには、お前が率先して気を使って現場を盛り上げんだよっ!!
早く終わりゃ安く済むし、次回も「ここなら仕事受ける」って思うだろっ!!
そーゆー気遣いができねー奴はクライアント失格!
にこにこしながら、パイプ椅子の下を見えないように蹴り飛ばす事、数回。。。。。
田中。。。あのー。。。すみません。おまわりさーん。。ここです。。。
早くも更年期ですか? 血圧あがりますよ。。。
。。。。。。。。。。。。。。
あ、いまはちゃんとやってるようなんでダイジョブですよ。
疲れた、横浜事務所時代。。。
眉間によせた怒りのシワが戻る暇なく、
毎日のように社員に怒り、叱り飛ばし、怒鳴り、言い過ぎたと後悔し
いつか駅のホームから突き落とされるんじゃないかと、
駅のホームでは真ん中を歩くようになった私。
そんだけ鬼のようだったんですね。
だって真剣にならなきゃ、そもそも注意もしないし、怒らないもんね。
どーでもいいなら、無視して放置するだけだもん。
そんだけ夢中で仕事をしてたんですね。
そして、多数の社員に、
売れる=お客様に指示されるアパレルデザイン
売れるコーディネート=沢山の支持をいただくトータルコーディネート
美しく魅せる法則、アパレルだけでなく、アクセサリー・靴・小物・スカーフ
バッグそして、ヘア・メイクといった目に見えるもの全てを伝えていきました。
「センスが悪いと言われた」私は、
「センスが良く見える」という事を
いつの間にか教える立場に変わっていたんですね。
生まれながらにして誰もが持つ、感性や感覚。これはお金で買えないものです。
勉強しても手に入れる事はできません。
何故ならば、生まれて育った環境に大きく左右されるためです。
これをフォローするのは自己のセンスを磨く事によって、オシャレの達人に
なるのです。
但し、美しく見えるものには全て根拠があるのです。
それには商品の価格やブランドなんて関係ない。
美しく咲き誇る桜の木や、素晴らしい景観に価格はありますか?
貴女を美しく魅せるその根拠。その理由。
それは数値で立証されるのです。この法則さえわかるようになれば
誰もがセンス良く、美しく見えるはずなのです。
実際の診断では難しい数式など説明しても時間の無駄なので
目で見て、誰もがわかる法則を貴女自身を使わせていただき
ご説明させて頂いております。
さて、「お前はセンスが悪い」と言われた、たった一言で人生がどうしてか、
今に至ってしまう訳なんですね。
現在では、地元埼玉、東京、神奈川、千葉、栃木のお客様を初め、
北海道・奈良・岡山・秋田といった遠隔地の皆様もサロンにご来店していただき
大変感謝しています。
引き続きよろしくお願い致します。
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「パーソナルカラー」とは貴方の魅力を最大限に引き出す色。
貴女にお似合いになる本当の色。
貴女にお似合いになる本当のスタイリングやコスメの色。
「パーソナルカラー大宮」では最小限で最大限の効果をだすメイクを
ご案内しております。
最小限とは、メイクにかけるお時間・メイク用品にかけるお金・メイクをなるべくしない。
最大限とは、パーソナルカラー診断により貴女のお持ちの資質(肌質・肌の状態・瞳の色・目の形)
お似合い色のコスメカラーで印象をより美しく演出するためのメイク法なのです。
骨格診断も是非お受けください。
貴女自信の資質を生かし、本来の美しさを演出する、
本当にお似合いになるデザイン・素材・そしてスタイリングが
方程式のように導きだされるのです。
是非「パーソナルカラー大宮」をご利用くださいませ。
「パーソナルカラー大宮」のサロンの扉をたたいたら貴方の美は約束されたのです。
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